暖かい季節には、ホームセンターや園芸店などで、食虫植物が売られているのをよく見かけます。
みなさんは食虫植物と聞くと、どんなものを想像しますか?
二枚の葉っぱで、虫を挟み捕まえるハエトリソウや、葉っぱの先に、虫を捕まえる袋が付いているウツボカズラなどはよく見ると思います。
そして筒状の葉っぱが特徴の、サラセニアも一緒に売られていますね。
普通の観葉植物にはない、奇妙な見た目から、子供たちに人気です。
ですが、実際に買って育てて見ると、意外と難しいんですね。食虫植物は少しだけ普通の植物と、育て方が違うからなんです。
この記事では、サラセニアとはどんな植物なのか、そして上手に育てるためのコツをお伝えしますね。
サラセニアとは
サラセニアはアメリカ南部、東部の湿地に自生している食虫植物です。
特徴的な筒状の葉っぱから、お酒を入れる瓶子(へいし)に似ているので和名がヘイシソウと言います。
筒状の葉っぱは、表面に蜜線があり虫を集めます。内側が滑りやすく毛が下方向に向いて生えているため、入ってしまった虫がなかなか這いあがってこれません。
筒の奥に、消化酵素がでていて消化吸収します。
春と秋にこの筒状(補虫葉)が育ち、夏の暑い時期は平らな葉っぱが育ちます。この葉っぱを剣葉というんですね。
多少ずれたりもしますが、春には花が咲きます。
サラセニアの原種は8種類しかありませんが、自然に交配したり、観賞用に交配されたものが多く作られているんですね。
葉っぱが立ち上がる大型の物は、レウコフィラ、フラバ、アラータなどがあります。大きいものは1m近くまで育つんですよ。
小型のものはプルプレア、ドラモンティーなどがあります。
こんなに大きくなるものもあります。私のこぶしぐらいの大きさですね。レウコフィラという種類です。
購入場所
サラセニアは、ホームセンターや園芸店などにおいてあります。
たまにショッピングセンター内にある、変わった物を扱うお店や、輸入雑貨屋さんなどで見かける事もありますね。
私は一度だけ、水族館に置いてあるのを見たことがあります。福島県のアクアマリンふくしまで売っていました。(今は分かりません)
他の購入方法としては、ネット販売などで、食虫植物を専門的に販売している業者さんもあります。
業者さんから買うメリットとしては、環境の整ったところで栽培されているので、とても状態がいいものを買える、品種がはっきりとしているなどですね。
デメリットとしては、少々値段が高い事や、ネット販売が多いので、送料がかかってしまう事がありますがとても便利です。
日照
サラセニアは、とても日光が好きです。なので年中日当たりのよい場所で栽培してください。
真夏の直射日光で、葉が焼けてしまったりする場合があるので、その時は遮光ネットなどで調整してあげてくださいね。
環境(温度・湿度)
サラセニアは、食虫植物の中ではかなり育てやすい品種になります。日本の気候でも、一年中外で育てることが、できるくらいなんですよ。
冬は、凍ったりしないようなところに、置いて育てれば大丈夫です。
筒状の葉っぱが立ち上がる大型の物は、強い風が吹くと倒れてしまう可能性があるので、注意してください。
自分の重みで倒れてしまう場合は、朝顔などに使う支柱を、使用して対応してくださいね。
雨水が筒状の葉っぱに、あまり入らないようにしてください。雨が入ってしまうと、重みで折れてしまう場合があります。
冬は成長が止まり、筒状の葉っぱが枯れますが、まだ生きていますので、お水を忘れずにやりながら、育て続けてあげてください。春になると、また元気に育ち始めます。
剪定などで、枯れた葉っぱなどを切る際に使うハサミは、清潔なものにしてくださいね。ハサミにウイルスが付いていると、そのウイルスに感染してしまうんです。
サラセニアは、人間のようにウイルス感染を起こして、病気になってしまいます。ただ人間と違うところは、サラセニアは二度と治らないんですね。
なのでハサミは綺麗に拭いたりして、清潔なものを使ってください。
用土
サラセニアは、弱酸性の用土が好きです。水苔、ピートモス、鹿沼土、赤玉土、日向土、パーライトなど使えます。
他の食虫植物には、大体水苔をおススメするのですが、サラセニアは根っこが発達するので、植え替えやすい事や、用土が長持ちする、という理由で配合土をおススメしています。
鹿沼土、赤玉土、ピートモス、パーライトあたりを、混ぜて使ってみてください。
水苔を使っても、全く問題ないです。
肥料はあげないでください。根が傷んだり、かえって調子を崩すことになってしまうんですね。
虫も捕まえて入れなくても大丈夫です。水と日光があれば元気に育ってくれます。
外で栽培している場合は、結構虫を捕まえるのでそれだけで十分ですよ。
水やり
サラセニアは、湿地帯に生えているため水が大好きです。
植木鉢の下にお皿を敷いて、水を2~3センチぐらいためてください。この事を腰水と言うのですが、湿地帯を再現するほか、水を切らさないようにするためでもあります。
サラセニアは、用土が乾燥すると枯れてしまうんですね。水切れに注意してください。
真夏の直射日光を、当て続けるとお皿にためた水(腰水)が、すごく熱くなってしまいます。そうなってしまうと、サラセニアの根っこが傷んでしまうので、新しい冷たい水に変えてあげてくださいね。
水をあげるときは、土の上からかけてあげて、土の中の老廃物を流してあげるイメージで、水やりしてください。
植え替え
サラセニアは、基本的に成長の止まる寒い時期にした方がよいのですが、株の調子が悪いときなどは、あまり気にせず植え替えてください。
植え替える際に、土に半分うまっている場所(バルブ)を、折って株分けすることができます。(調子の悪い株ではやらないでくださいね)
春になると、芽が出てきます。
もちろん花を咲かせて種を取り、そこから増やすこともできますよ。
種から育てた苗(実生苗)
まとめ
サラセニアは、食虫植物の中では育てやすい部類に入ります。
しかし水を切らしたり、不衛生なハサミなどを使うと、枯れてしまうので注意してくださいね。
ホームセンターなどで売っている品種は、小型のものが多いので、場所を取らず安心して栽培できますよ。
大きい物がほしいなと思ったら、ネットで検索すれば安く手に入るものもあるのでぜひ育ててみてください。
他の食虫植物の育て方も、ぜひチェックしてみてくださいね。
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