食虫植物を育てていて、寒くなって来たら、元気がなくなってしまったり、枯れてしまったなんて経験はないでしょうか。
食虫植物は、熱帯産や温帯産の植物で、冬に何もしないで外で育てると、枯れてしまう種類が多いです。
しかし食虫植物は、ほとんどが多年草なのできちんと育てる事ができれば、何年も栽培することができますよ。
種類によっては、冬の時期は枯れたように見えるんですが、実は根元や根は生きていて、春になって温かくなると、また育ち始める物もいます。
育てている食虫植物の事をよく知ることで、冬を簡単に越すことができます。
ここでは、種類別に冬の越し方をお伝えします。
冬を越す方法以外の詳しい食虫植物の育て方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
目次
ハエトリソウ(ディオネア)
ハエトリソウ(ディオネア)は、北アメリカの湿地に自生している植物です。
日本の四季に似た環境で育っています。
冬になると地上ある葉っぱを枯らし、小さな株の状態で冬を越します。
置いておく場所は、霜が当たらない所に置いてくださいね。
暖房などをつけている部屋で育ててしまうと、中途半端な状態になってしまい、最悪枯れてしまうことがあります。
ちゃんと休眠させてあげ、元気を蓄えさせてあげてください。冬も腰水は切らさないように注意してくださいね。
春になると元気に芽を出してくれます。
ウツボカズラ(ネペンテス)
ウツボカズラ(ネペンテス)は、熱帯性の植物のため、寒い所が苦手です。
30℃~15℃ぐらいをキープすれば、しっかり育ちます。
冬に外で栽培していると、寒くて枯れてしまうんですね。
外の気温が20℃を下回ってきた頃に、室内に取り込んで育ててください。
ウツボカズラは、湿度の高い状態も好みますので、ファンヒーターの風などを当てないように育ててくださいね。
湿度が低いようでしたら、葉っぱに霧吹きしてあげましょう。
初めて食虫植物を育てるのに、必要な物をまとめた記事もあるので、こちらもご覧ください。
大きめの衣装ケースの中に入れて育てると、多少温度や湿度が保たれるのでおススメです。
私がウツボカズラの栽培に使っている道具はこちらです。
現在は、FHB-1508を使用しています。
モウセンゴケ(ドロセラ)
モウセンゴケ(ドロセラ)は、世界中の色んな地域の湿地に、200種類以上が自生しています。日本にも自生しているんですよ。
なのでモウセンゴケの冬の越し方は、冬芽を作る温帯産の物、冬芽を作らずに育つ熱帯産の物、夏に球根を作る物、ピグミーというムカゴを作る物と、色んな種類に分けることができます。
温帯産(冬芽)
冬芽を作るので、霜の降りない所に置いておけば、春になるとまた元気に成長します。
熱帯産(冬芽を作らない)
冬も成長します。なので室内に取り込み育ててください。
できれば加温した方がいいのですが、10℃以上をキープしてあげれば大丈夫です。
球根を作る物
夏になると球根を作るので、冬には多少強いですが、10℃以上をキープしてあげてください。
ピグミードロセラ
基本的に外でも育てる事ができますが、5℃以下にならないように、なるべくなら室内に取り込んでください。
モウセンゴケの中で、ピグミーだけは湿度が低くても栽培できるようです。
冬になるとムカゴを形成します。そのままにしておいても問題ないですが、ピンセットや割りばしで採取し、他の植木鉢や容器に移すこともできますよ。
そのままにしておくと、群生している形になるのでそれはそれで面白いですね。
サラセニア
サラセニアは、アメリカ南部、東部の湿地に自生している食虫植物です。
冬でも外で育てる事ができます。霜の降りないところに置いてくださいね。
ハエトリソウと同じように、サラセニアも筒状の葉っぱを枯らします。
根元の部分や根っこは生きていますので、そのままお水を切らさずに育ててください。
枯れてきた葉っぱは切り取ってください。栄養が分散しないようにするためです。
冬の間に力を蓄えて、春になると元気に成長し始めます。
フクロユキノシタ(セファロタス)
フクロユキノシタ(セファロタス)は、オーストラリアに自生する食虫植物です。
セファロタスは、温度に関しては順応性が高く10℃を下回っても大丈夫なんですね。
しかし湿度が低いとうまく育ってくれません。
70%以上をキープしてあげると元気に育ってくれます。なので大きい衣装ケースに入れて育てる事をおススメします。
もちろん温室に入れ、加湿器を付けたりすればいいんですが、お金がかかってしまうので、衣装ケースや水槽があれば霧吹きしながら湿度を保ってあげれば十分です。
ムシトリスミレ
ムシトリスミレは、モウセンゴケと同じで、冬芽を作る寒地性、冬芽を作らない温暖性と熱帯高山性の三種類があります。
冬芽を作る物は、外で育てる事ができます。霜の降りないところで育ててください。
冬芽を作らないものは、室内でそだててください。
こちらもできれば、加温した方がいいです。しなくても枯れることはないでしょう。
最後に
色々な種類の冬の育て方を紹介しましたが、冬に枯れて、力を蓄える物や、寒さに弱い物、そのままの見た目で耐える物など様々です。
それぞれの、育て方をきちんと守れば、簡単に冬を越すことができますよ。
ハエトリソウやサラセニアは、ちゃんと寒い所に置いてあげた方が、来年の春から秋の成長がいいです。
冬の時期は、見た目が寂しくなりますが、春に芽が出てくれるのを楽しみにしましょう。