金属にネジ山を作ることは、とても難しいように感じますよね。
ですが、金属に穴をあける程度のDIYの知識があれば、比較的簡単に行える作業です。
新しい物にネジ山を作るのはもちろん、ネジ山が崩れてネジが締まらなくなってしまった、なんて場合にも使えるんですね。
この記事では、DIYでコツさえ知ってしまえば行える、金属にネジ山を作る方法を、実際に作業しながらお伝えします。
目次
ネジ山を作る(切る)ために使う道具
ドリル・ドリルの刃
金属に穴をあけるために使用します。
今回は、ボール盤を使用していますが、電動ドリルでも大丈夫ですよ。
タップ
金属にネジ山を作るための道具です。
私たちは、ネジ山を作ることを、「タップを切る」や「ネジを切る」もしくは立てるなんて言うんですね。
ホームセンターや、ネットなどで買うことができます。
写真のようにセットになっている物や、ばら売りもしていますので、好きな物を使ってください。
いろいろな物が入っていても、そこまで値段は高くないので、セットの方がいいのかもしれません。
メジャー・さしがね
穴をあける場所を、測ったり、直角を取るために使用します。
ケガキ針・石筆
穴をあける場所を書く物ですので、なければ鉛筆でも大丈夫ですよ。
後は、ボールペンなどを消す修正ペンも、使用することができます。
お好きな物を使ってください。
ポンチ・オートポンチ
ケガキ針や石筆、鉛筆などで印を付けた所に傷を付け、ドリルの刃が滑らないようにするものです。
オートポンチは、ハンマーがなくても使えますので、とても便利ですよ。
写真では、赤い物がついているやつですね。
少し位置がズレてもいいよっていう方は、なくても大丈夫でしょう。
ハンマー(かなづち)
ポンチで傷を付けるために使用します。
オートポンチを使用する場合は、いらないのですが、DIY作業では使う頻度が多いので、一つ工具箱に入れておくことをおススメします。
スプレータイプの切削油
ドリルで穴をあける時と、ネジ山を作るときに使用します。
ネジ山を作る際、タップに吹きかけると、スムーズにネジ山を切っていくことができますよ。
逆に油を使わないと、タップが途中で折れてしまうことがあります。
タップ切り専用の物を使用してもいいですし、普通の潤滑油でも大丈夫です。ステンレスの場合は、専用の物を使ってくださいね。
DIYに使う工具を、まとめた記事もあります。よかったら一緒にご覧ください。
実際にネジ山を作る(切る)
道具が揃ったら、実際にネジ山を作っていく訳ですが、コツとしては、とにかく焦らず慎重にやればいい、ということです。
穴にタップをねじ込んでいきながら、溝を掘っていきますが、力いっぱいねじ込んでしまうと、簡単に折れてしまうんですね。
折れるだけならいいのですが、怪我をするかもしれません。落ち着いて作業していきましょう。
実験台に使う金属は、6mmの鉄板を切り出した物です。
ネジ山を作る(切る)場所を出す
メジャーやさしがねを使って測りながら、位置を決めます。
ネジ山を作りたい場所を、すべて書き出したら、印に合わせ、ポンチで傷を付けていきます。
穴をあける
傷を作ったら、穴をあけていきます。
今回は、M6という大きさのネジ山を作りますので、5ミリの刃を使っています。
私は、ボール盤を使用しましたが、電動ドリルでも構いません。
電動ドリルを使う時の注意点は、まっすぐ穴をあけないといけない所ですね。
斜めに穴が開いてしまうと、ネジ山も斜めになってしまい、ねじを締めた時に折れたり、見た目も悪くなってしまいます。
穴をあけたら下準備が完了ですね。
穴を開ける際の注意点などを、詳しくまとめた記事もあります。
ここからやっとネジ山を作っていきますよ。
タップを使ってネジ山を作る(切る)
タップを使って、ネジ山を切る際の注意点は、穴をあける時一緒で、まっすぐに切っていくことです。
斜めになってしまうと、タップが折れてしまったり、ネジを締めた時にネジ山が崩れてしまう可能性もあります。
そのためにさしがねを使って、直角を図りながら切っていきましょう。
タップの先を少しねじ込んで、さしがねを当てます。
まっすぐになっている場合は、油をすこし差しながら回していきましょう。
曲がってしまった場合は、まっすぐになるよう、修正しながらねじ込んでいきます。
深くまで、削ってからまっすぐにしようとすると、タップが折れてしまうので、始めに直角を見ておきましょう。
ゆっくりとねじ込んでいきます。
もし固くなって止まってしまったら、そのまま力で回すのではなく、一度少し戻してみたり、油をさしたりしながら進んで下さい。
大体半分回したら戻す、また半分回したら戻すを繰り返します。穴のサイズが大きい場合は4分の1にするなど、調整しながらねじ込んで下さいね。
タップは、折れやすいです。ゆっくりと焦らず、慎重に作業しましょう。
写真のように根元まで行ったら、反対に回し抜きます。
すべての穴にネジ山を切ったら完成です。
作業はこれだけですね。
ちゃんとネジが入りました。
後は、バリを取ったりしてネジ山を作る(切る)作業は終了です。
まとめ
どうでしたか?
思ったより簡単と感じた方が、多いのではないでしょうか。
DIYで金属に穴をあけることができる方なら、問題なく作業できるでしょう。
コツは、穴もタップもまっすぐにすることと、焦らずに作業することだけなんですね。
後は、実際にやってみるだけですよ。ぜひ参考にしてみてください。